2024.01.12★★★

SDGs

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11]住み続けられるまちづくりを

「100年先も安心」を目指して関東大震災から100年、TOKYO強靭化プロジェクトが始動

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関東大震災から100年の節目を迎える本年、東京都は災害に強い都市「東京」を実現するため、「TOKYO強靭化プロジェクト」を始動しました。
その詳細を東京都政策企画局に取材しました。

目次

プロジェクトの成り立ちは?

気候変動の影響により頻発化・激甚化する風水害や、いつ起きてもおかしくない首都直下型地震、火山噴火など、東京は様々な危機に直面しています。
こうした危機から都民の生命を守り、首都東京の機能や経済活動を維持するため、関東大震災から100年という節目に「TOKYO強靭化プロジェクト」を始動しました。プロジェクトでは、新たな取組に着手するとともに、これまでの施策もレベルアップしています。
今後、プロジェクトを着実に推進することで、強靭で持続可能な東京を実現します。

具体的な施策は?

大きく分けて5つのカテゴリーがあります。

1. 風水害への対策

激甚化する風水害から都民を守る

 近年、経験したことのない豪雨が発生するなど、東京を取り巻く環境も大きく変わっています。川や海の近くであっても安心して暮らせるよう、また安全に避難できるよう、対策を進めます。
 浸水対策 
 河川の氾濫を防ぐため、調整池の整備を進 めています。たとえば地下40mに巨大トンネルを整備し、川があふれないよう水を一時 貯留します。
 高潮対策 
 気候変動の影響による60cmの海面上昇に対応するよう、防潮堤の嵩上げを推進します。また、水門操作に当たりAIを活用するなど、デジタル技術も活用し、取組を強化します。
 土砂災害対策 
 衛星データを活用して広範囲において不適正盛土を効率的に把握します。
 地下施設の水害対策 
 地下鉄に防水ゲートの設置を進めるとともに、地下街の避難誘導対策を強化します。
 強風対策 
 都道における街路樹の診断・対策を推進するとともに、看板等の点検強化を促進します。

2. 地震への対策

大地震があっても、「倒れない、燃えない、助かるまち」をつくる

 今後30年以内に70%の確率でM7クラスの地震が南関東で発生すると予測されています。建物倒壊や火災の発生、道路の寸断、停電断水など多大な被害が想定されています。こうした被害を抑えるための施策を推進します。
 緊急道路の対策 
 地震発生時にも緊急車両等が通行できるよう、緊急輸送道路沿道の建物の耐震化を支援します。また、都道の無電柱化を加速していきます。
 防災拠点対策 
 広域防災拠点へのアクセス道路や、防災船着場を整備します。
 木密地域の整備 
 火災の広がりを防ぐため、木造密集地域の建替えや、私道などの無電柱化の支援を拡充します。
 住宅の耐震化 
 耐震性の低い木造住宅やマンション等共同住宅の耐震化に対する支援を拡充します。
避難対策 
 災害時に生活継続しやすい住宅の普及を推進するとともに避難所の混雑情報をリアルタイムに把握・発信します。

3. 火山噴火への対策

噴火が起きても都市活動を維持する

富士山が噴火した場合、火山灰は東京の区部においても2~10㎝積もると想定されます。一刻も早い都市機能の回復をめざし、対策を講じます。
交通網の早期回復 
 道路機能を早期に回復させるため、降灰除去を行うロードスイーパーなどの資機材を確保します。
 降灰の集積・処分 
 区市町村等と連携し、降灰の仮置き場等を確保するとともに、迅速な降灰処分に向けた取組を進めます。

4. 電力・通信の途絶への対策

災害時の電力・通信・データ不安を解消する

 災害時の停電や通信障害による影響を最小限に抑えるための取組を推進します。
 災害時の電力の確保 
 太陽光発電や蓄電池などの再エネ設備の導入を促進するなど、在宅避難に繋がる取組を推進します。
 通信網の確保 
 いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」を目指し、Wi‒Fiアクセスポイントの整備や衛星の活用、島しょ部の海底ケーブルの敷設を推進します。
 データの保全・活用 
 サーバのクラウド化を推進しデータの保全に取り組みます。また、デジタルツインによる災害シミュレーションを実施します。

5. 感染症にも強いまちづくり

感染症にも強いまちをつくる

 密を避け、安心して集える空間の創出や、交通手段の多様化など、感染症にも強いまちをつくります。
 憩いとゆとりのある都市空間 
 人々が楽しく憩う屋外空間と潤いある水辺空間を整備します。
 交通手段の多様化 
 自転車道の整備や船の活用など、交通手段の多様化を推進します。
 多様な働き方・住まい方を支援 
 職住近接で多様な働き方・住まい方が選べるまちづくりを推進します。

地域力を高めて災害に強い街づくりを

最後に東京都総務局からマンションに住む方への助言をお願いします。

―自助について―

備蓄品の準備と転倒防止などの備えを

 マンションでは多くの場合、在宅避難が中心になります。みなさんには、災害の被害を最小限に抑えるため、日々の備えと心構えをお願いしたいと思います。備蓄品については個々に違いますから、確認の上、用意してください。家具転倒への備えなども大切な備え。こうした災害への備えを促すため、今年9月に「東京くらし防災」「東京防災」という2冊の冊子をリニューアルし、マンション防災の普及啓発リーフレットと合わせて全世帯に配布しています。WEBでも見ることができるのでぜひ参考にしてください。

―共助について―

ふだんの地域連携で災害時の安心を確保

 災害時、個人でできることも自治体のサポートも限られています。マンションにおいても地域の助け合いは非常に重要なポイント。まずは日頃のあいさつから。お祭りなどのイベントを通じた連携があると防災訓練もスムーズに行えると思います。地域の消防団や町会への積極的な参加などを心がけ、いざという時に助け合える地域力を高めたいものです。
 みなさん一人ひとりが意識することで地域力を高め、災害に強いまちづくりを実現していきましょう。

東京くらし防災

日常の暮らしの中で取り組める防災行動や、多様な視点での防災行動を掲載

東京防災

防災に関する知識をさらに深めることができる、災害を取り巻く最新の情報などを掲載

マンション防災

日頃の備えと地域での連携、「共助」の重要性についてリーフレットを作成

マンション管理システム「Bellcierge(ベルシェルジュ)」

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